自慢の教え子。
Category : 卒塾生
さあ、お昼ごはんを温めようかとレンジの扉を開いた瞬間、
LINEの通知音が鳴った。
「Hです。
岐阜薬科大学に合格しました。
ありがとうございました。」
共通テストが終わったあと、H君から「相談に行ってもいいですか」と連絡が入った。
もともとH君が第一志望にしていた大学は超難関大学だ。
連絡が入った時点で、どんなアドバイスをするのかわたしの考えは決まっていた。
1時間ほど教室で話をして、H君は帰って行った。
次の日。H君のお母さま、お父様にメールを送った。
もし自分の子がこの成績だったら、もう夢のような世界ですね。これ以上など望みもしません。
だれに相談したとしても、わたしと同じ意見だと思います。
相談にいきますと連絡があったときは、迷っているようなら確実に受かる大学をすすめようと決めておりました。
最初はなんとなくそちらの方向へもっていこうと思っていたのですが、「やっぱりO大の薬学部を受けたいんですよね」と言うH君を見て、中3の頃とはちがうなあと感じました。
これはだれに何をアドバイスされてもきっとO大に挑戦するんだろうなと思いました。
ほんとうは、強く強く受かる大学をすすめた方が良いのかもしれませんが、H君はもうわたしの考えうる範疇の世界をこえて、ちがう世界を見ているようです。
結局うまくアドバイスなどできず、塾の先生として、かつて受験生だった者として、最終決定はお父さん、お母さんの意見がいちばん大事だと正直に伝えました。
あとは気持ちよく受験に向かってくれたらと思います。
どんな結果であれ、H君を尊敬しております。
3月9日はO大学の合格発表だったが、H君からの連絡はなかった。
4日後。H君が塾まで来てくれた。
清々しい表情で、「O大はダメでした」と報告をしてくれた。
入試の当日のようすを笑顔で教えてくれる。
「後期日程にかけます」という言葉に悲壮感など一片も見当たらなかった。

「お父さん、お母さんはよくO大の受験を許してくれたなあ」と言うと、
「無理をきいてくれた親には感謝しかないです。」と笑った。
がんばった受験生は日本中にたくさんいる。
でも、こんなにかっこいい受験生はそうそういない。
LINEの通知音が鳴った。
「Hです。
岐阜薬科大学に合格しました。
ありがとうございました。」
共通テストが終わったあと、H君から「相談に行ってもいいですか」と連絡が入った。
もともとH君が第一志望にしていた大学は超難関大学だ。
連絡が入った時点で、どんなアドバイスをするのかわたしの考えは決まっていた。
1時間ほど教室で話をして、H君は帰って行った。
次の日。H君のお母さま、お父様にメールを送った。
もし自分の子がこの成績だったら、もう夢のような世界ですね。これ以上など望みもしません。
だれに相談したとしても、わたしと同じ意見だと思います。
相談にいきますと連絡があったときは、迷っているようなら確実に受かる大学をすすめようと決めておりました。
最初はなんとなくそちらの方向へもっていこうと思っていたのですが、「やっぱりO大の薬学部を受けたいんですよね」と言うH君を見て、中3の頃とはちがうなあと感じました。
これはだれに何をアドバイスされてもきっとO大に挑戦するんだろうなと思いました。
ほんとうは、強く強く受かる大学をすすめた方が良いのかもしれませんが、H君はもうわたしの考えうる範疇の世界をこえて、ちがう世界を見ているようです。
結局うまくアドバイスなどできず、塾の先生として、かつて受験生だった者として、最終決定はお父さん、お母さんの意見がいちばん大事だと正直に伝えました。
あとは気持ちよく受験に向かってくれたらと思います。
どんな結果であれ、H君を尊敬しております。
3月9日はO大学の合格発表だったが、H君からの連絡はなかった。
4日後。H君が塾まで来てくれた。
清々しい表情で、「O大はダメでした」と報告をしてくれた。
入試の当日のようすを笑顔で教えてくれる。
「後期日程にかけます」という言葉に悲壮感など一片も見当たらなかった。

「お父さん、お母さんはよくO大の受験を許してくれたなあ」と言うと、
「無理をきいてくれた親には感謝しかないです。」と笑った。
がんばった受験生は日本中にたくさんいる。
でも、こんなにかっこいい受験生はそうそういない。
続 驚愕する2年生たち。
Category : 卒塾生
続 先輩が書いた文章に驚愕する2年生たち。
春
厳しき寒さから多くの者が解き放たれし季節。
白き冬とは違い、様々な色が広がる。
桜は薄紅に、田も畑も若草色に染まり始める。
この季節を知らせに土筆が顔を出し、それにつられて山のものが目を覚ます。
だが、透き通る鳥の声と、優しき陽にふたたび寝息を立ててしまう。
雪解け水流るる小川に薄紅色の桜の雨が降り注ぐ。
まことおだやかな季節である。
「若草色!!?」
「濃い黄緑じゃない?」
「それもう緑だよ」
春
厳しき寒さから多くの者が解き放たれし季節。
白き冬とは違い、様々な色が広がる。
桜は薄紅に、田も畑も若草色に染まり始める。
この季節を知らせに土筆が顔を出し、それにつられて山のものが目を覚ます。
だが、透き通る鳥の声と、優しき陽にふたたび寝息を立ててしまう。
雪解け水流るる小川に薄紅色の桜の雨が降り注ぐ。
まことおだやかな季節である。
「若草色!!?」
「濃い黄緑じゃない?」
「それもう緑だよ」